華やぐ日々よ …詠山史純の愚考拙文録 2013年10月

機能を追及したフォルムは美しい⑥ …ドイツの傑作拳銃ルガーP08

機能を追及したフォルムは美しい⑥ 

          …ドイツの傑作拳銃ルガーP08



ルガーP08(Luger P08)は1908年、ドイツ陸軍に制式拳銃として採用された、
DWM(ドイツ兵器&弾薬製造会社)社製の傑作拳銃である。
「P08(Pistole 08)」は、ドイツ軍の制式採用年に由来する制式名称。
(ピストーレ・ヌル・アハト)
ドイツでは一般に「パラベラム・ピストーレ(Parabellum Pistole)と呼ばれ、
「ルガー」の名称は、P08輸入販売を行なっていたアメリカのストーガー社が、
開発技術者ゲオルグ・ルガーに因んで名付け、それがそのままアメリカで
定着したと言われる。
口径は9mmで、9mm×19パラベラム弾を使用する。

因みに、パラベラム(Parabellum)とは、ラテン語の「Si vis Pacem, Para bellum
(もしも平和を望むなら、先ず戦争に備えよ)」に由来するとのこと。



P08アングル1
P08アングル2
P08アングル3


ヒューゴ・ボーチャードが1880年代に設計した「ボーチャードピストル」を
生産していたDWM社の技術者であったゲオルグ・ルガーが改良を施し、
1898年にP08の原型が開発され、1900年にP08の前身となるM(モデル)1900
を完成させた。
尺取虫の動きのような、支点で二つに曲がって伸縮するトグルアクション機構
という特異な構造の給弾方式を特徴とする。
(尺取虫という通称があったという)
ゲオルグ・ルガーが改良したP08は、ボーチャードピストルの改良型であるが、
M1900以降、トグルアクション機構以外にその面影は無い。


ボーチャードピストル1

ボーチャードピストル2

ボーチャードピストル3

ボーチャードピストル4

ボーチャードピストル5


M1900では7.62mmパラベラム弾を使用していたが、採用テストを行なった
アメリカ軍に威力不足を指摘されたことから、9mmパラベラム弾を使用する
9mmモデルのM1902が開発された。
更に改良が重ねられ、1904年にドイツ海軍、1908年にドイツ陸軍に制式拳銃
として採用されたが、スイス陸軍は1900年の段階で既にM1900を制式化して
いたという。
P08開発以前の1906年には、アメリカ軍の制式拳銃トライアルに向け、
.45ACP弾仕様の45口径モデルが2挺試作され、現存する1挺は「100万ドル
のルガー」と呼ばれているとのこと。
M1900から海軍のP04までのモデルには、グリップ後部にP08とは機構の異なる
グリップセイフティが装備されていたが、改良された。


Lugerブラック
Luger black widow grip




ドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリングが国家元帥に昇進した際、
ゲーリングが株主であった、当時のP08製造会社クリークホフ社が
樫の葉をモチーフにした文様が彫刻された2挺のP08を贈った。
「ゲーリング・ルガー」と称される。


ナチス党の幹部たちは、金メッキを施した特注ルガーを好んだという。


P08は命中精度の高い優れた拳銃と、その評価は高いものの、精緻な構造で
部品数が多く、過酷な環境である戦場で使用する軍用拳銃には不向きであった
のかも知れない。
戦場での故障が多いとのことで、ドイツ陸海軍向けの生産は1942年で終了し、
ワルサーP38に制式拳銃の座を明け渡したが、ドイツ空軍ではゲーリングが
クリークホフ社の株主であった所為か、終戦まで使用し続けたという。


1917ロンガー
ドイツ陸軍のP08の銃身は4inであったが、
ドイツ海軍仕様のP04には、6in銃身モデル(マリーネP04)があった。



1929ロング
陸軍仕様のP08には、砲兵用護身装備である8in銃身モデルの
「アーティラリー(砲兵)」があった。
「ランゲ・ラウフ(長銃身)」または、「ランゲ・ピストーレ(ロングピストル)08」
とも称された。








P08は、第一次世界大戦時の塹壕戦で活躍したが、8発装填のマガジン(弾倉)
だけではなく、32発装填のスネイル・マガジン(巻貝の形状の弾倉)があった。
サブマシンガンが普及していなかった当時、制圧射撃に有効であったという。



1914ファイヤーアームズ




グリップ後部にショルダーストックが着脱可能であった。



カービン仕様 1902
カービン仕様の8in銃身モデル



LugerP08scope付き
スコープを装着した6in銃身モデル



P08実射
ルガーの空薬莢は上方へ飛ぶ。





















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テーマ : デザイン - ジャンル : 学問・文化・芸術

2013/10/23 07:29 | アートCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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