華やぐ日々よ …詠山史純の愚考拙文録 沖縄県民斯ク戦ヘリ

沖縄県民斯ク戦ヘリ

沖縄県民斯ク戦ヘリ


沖縄上陸400


沖縄県の那覇市と豊見城市の境界に位置する小禄地区、
現在は海軍壕公園の一部となっている旧海軍司令部跡
の地下壕を見学したことがある。

1945年(昭和20年)6月に、陸軍との連携の不手際もあり、
米軍に包囲されて、海軍陸戦隊など約4000名が玉砕したと言う。

海軍部隊の指揮官であった大田実中将が自決前、海軍次官宛に
打電した訣別電報は、皇国に殉じた沖縄県民の実に見事な挺身振りを
切々と綴り、満腔の思いを込めて、敢闘の有様を称えたものだった。

その最後に綴られた一文が胸を打つ。
「沖縄県民斯ク戦ヘリ
 県民ニ対シ 後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」
「沖縄県民は、このように立派に戦いました。
 沖縄県民に対しては将来、格別のご配慮を以って
 報いて下さることを切にお願い申し上げます」趣意

本土復帰後、行政上の優遇措置など若干はあったものの
まだまだ不充分であることは、論を待たない。

少年兵400

6月13日、北沢俊美防衛相は仲井真弘多知事と沖縄県庁で会談し、
米軍普天間飛行場の移設先とする名護市辺野古に設置予定している
代替施設の滑走路形状をV字形と決めると正式に伝えた。
仲井真知事は会談で、「危険な普天間を一日も早く移設することが
大前提で、他府県へ移設するのが早いと思っている」と県外移設を
重ねて求めているが、北沢防衛相は日米が合意した2014年の移設
期限に付いて、「現実的に困難」とした上で、「普天間の固定化に
直結する危険性もあるので、出来るだけ早期の実現を図る為に
調整している」と述べるに止まった。

また、米国政府が2012年中に米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に
垂直離着陸型輸送機MV-22オスプレイを配備すると通告した問題で、
宜野湾市役所前での座り込み抗議行動など、配備計画への反対運動が
起きている。

MV-22オスプレイ配備に付いて、仲井真知事は「しょっちゅう事故を
起こしたという記憶は鮮明に残っている。
こういうものを街のど真ん中に持ってくると言われて、分かりました
とはとても言えない」「東京で言えば日比谷公園でやるようなもの」と
反対姿勢を示したのに対し、北沢防衛相は「危険度に付いては、
技術的にクリアしている」と述べたという。



V-22オスプレイは、回転翼機(ヘリコプター)と固定翼機を合わせた
革新的な航空機であるティルトローター機で、その海兵隊仕様がMV-22、
現在普天間基地に配備されているヘリコプター、タンデムローター式の
CH-46シーナイトとの代替を予定されている。

軍事評論家などに依れば、MV-22オスプレイはCH-46ヘリよりも
エンジン出力が4.4倍(6150馬力が2基)にもなる為、騒音が大きい
ということで、懸念が広がっているようだが、ミラマー海兵隊基地の
記者会見で、オスプレイ飛行隊指揮官のエヴァン・ルブラン中佐は、
CH-46ヘリコプターよりも騒音は小さくなると語ったそうだ。

The Osprey is six times quieter than the helicopter it replaces,
the dual-rotored CH-46, according to the Marine Corps.
(オスプレイは、代替する海兵隊のヘリコプターCH-46よりも6倍静か)

旧式

ヘリコプターの騒音の大半は、エンジンからではなく、
ローターブレードから発生している為に、エンジンの出力が大きく
なるからと言って、騒音もそれに伴って大きくなることはないようだ。
ヘリコプター特有の「バラバラ」音は、ローターブレードから発生する
「スラップ音」というものだそうだ。
BVI(Blade-Voltex-Interaction;翼端渦干渉)という現象で、
先行するローターブレードの翼端渦が、後続のローターブレードと
干渉することにより発生する衝撃音で、これがヘリコプター特有の現象
であるという。
固定翼プロペラ機では、翼端渦は直ぐに機体後方に流れて、
後続のプロペラがそれを叩くことはないという。
離着陸時にはヘリコプター形態、巡航時には固定翼機形態に変形する
ティルトローター機MV-22オスプレイは、巡航時にBVI騒音が消え去る
ということであるらしい。

普天間基地C400

ところで、難題の普天間基地代替施設移設問題のこと。
鳩山前首相は一昨年夏の総選挙の折には「最低でも県外」
と言い、社民党に至っては「国外」との声まで挙げていた。
軍事問題に疎い政治家達が多いことの証左である。

当然のことながら、沖縄県民にとって、
米軍基地は実に迷惑な施設であるが、中国との軍事力が
均衡していない我が国の防衛には、不可欠な存在なのだ。

仮に、我が国が真の自主独立国家として、日米安全保障条約を
破棄し、覇権主義国家中国とならず者国家北朝鮮に囲まれた
状況下で、核武装も辞さぬほどに軍備を強化し、世界水準の
国防意識を堅持した国情であるならば、沖縄のみに軍事基地を
集中させる必要はないが、日米安保条約に基づいて、一応は
アメリカの戦略核兵器の抑止力に守られている現状では、
米軍の世界戦略との兼ね合いもあるのだ。

沖縄に在日米軍の兵力の75%が集中している理由は、
軍事的な見地からして、沖縄の地理的な好条件が要因としてある。
主に台湾海峡及び朝鮮半島での有事の際、米軍海兵隊が迅速に
対処出来る好条件が揃っているのだ。
他の移設案として浮上した自衛隊の大村航空基地や鹿屋航空基地、
硫黄島、テニアン島、海兵隊司令部機能を移設するグァム島に
実戦部隊を後退させては、現地への到着が半日、1日と遅れて
即応性に支障を来たすという致命的な欠点がある。

普天間基地

1996年から橋本政権に始まる「普天間基地の移設条件付き返還」だが、
事ここに至っては、現行案の「辺野古岬と、大浦湾・辺野古湾の
水域を結ぶ形で、V字型に2本の滑走路を設置する」日米合意を
実現させて「移設を実施する為には、充分な代替施設を用意」する
という合意を履行しない限りは、普天間飛行場の現状が固定化
された上に、日米の同盟関係に亀裂が生じることになるのだろう。

かつて、北海道の苫小牧や高知県も日本本土の移設候補地として
挙がったこともあるのだが、日米の仮想敵国が中国及び北朝鮮で
ある以上は、地理的に条件を満たすものではないのだ。

民主党政権が海兵隊の特質を弁えていないと思わせることの
一つに分散化の提案があった。
そもそも、海兵隊は単なる陸戦用の地上部隊だけではなく
ヘリコプターや支援戦闘機を含めた航空部隊と後方支援部隊が
一体化した機能を持つ、それだけで完結した戦力体系であって、
分散配備をさせてしまっては、戦略的海上輸送や空輸の為の
集結に時間を空費してしまう。
海兵隊の強襲揚陸艦の母港は佐世保であるので、現状でも
出動部隊の合流までには、かなり時間の浪費があるほどなのだ。

そういう理由から、アメリカ政府は海兵隊の地上部隊と
ヘリコプターの空輸部隊の駐留位置に関して、その距離を
65海里(1海里は1852m)以内に留めることを要望しているのだが、
そんな軍事機密に属する情報をも、平和ボケしている日本の
政府高官は漏洩させてしまうなどの体たらくであるのだ。

海兵隊は本国政府から、東アジアでの抑止力を維持しながらも、
在沖縄海兵隊を大幅に削減するようにとの命令を受けたことにより、
海兵隊の司令部機能はグァム島に後退させるものの、実戦部隊は
沖縄に駐留させ続けるという選択をした訳なのだ。

海兵隊を沖縄から完全に撤退させるということは、アメリカが
東アジア地域での紛争にはコミットしないという誤った
メッセージとして、中国や北朝鮮が受け取る可能性がある。



何れにせよ、アメリカは近い将来、東アジアに於ける戦略を
変更し、防衛ラインをグァム島、テニアン島、サイパン島の
ソロモン諸島のラインにまで後退させることだろう。
現実に、20世紀後半に一度、この撤退案が検討されている。

その段階で、尖閣諸島や竹島で中国軍や韓国軍との国境紛争が
勃発したとしても、アメリカは自国民を核攻撃の危険に晒してまでも
我が国の同盟軍として、軍事行動を起こすことは先ず無いはずだ。
日米安保条約は機能しないであろうことは、軍事専門家の
共通した認識である。

となれば、裕福でチャーミングな女性が裸で、歌舞伎町の路上に
放り出されるようなものである。
経済大国は、同時に軍事大国でないと、周辺地域のバランスを
崩し、侵略を誘発してしまうことになってしまうのだ。
金持ちが豪勢な屋敷に鍵も掛けずに、窓もドアも開け放して、
のん気に眠りに就くようなものなのだ。

辺野古V字滑走路

日米安保条約が機能している現段階では、沖縄県民の過重負担は
日本国民として実に不公平であって、大変に申し訳ないのだが、
海兵隊の駐留、基地の存続は我慢して貰うしか、手が無いのだ。
その制約の下で、政府は地域振興策や安全策など、県民に対して、
精一杯の誠意を尽くすことが絶対に必要な条件となるだろう。

成田空港反対の三里塚闘争のように泥沼化する前に、
早急に打開策を見出す必要がある。
普天間基地周辺の住民の安全を図ることは最重要課題であるが、
反基地運動に中国と北朝鮮の諜報機関も関与しているとの
情報もあり、共産同革マル派も中核派も関わっているので、
それらの破壊活動を封殺する為にも、早期に紛争を終結させる
必要がある。






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テーマ : 歴史雑学 - ジャンル : 学問・文化・芸術

2011/06/14 15:33 | 随想COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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