何と風雅な間接表現だこと!

 2011-06-17
何と風雅な間接表現だこと!



「小鳥遊」さんと書いて、どうして、「たかなし」さんと訓む
のだろうと不思議に思ったものだ。

調べてみると、その所以には妙に納得させられるものがある。
「鷹が居なければ、小鳥は安心して遊べる」という訳であるそうな。
ここまで来ると、文芸の域にまで達している観がある。

小鳥遊400

ルーツは清和源氏の井上氏族のようである。
平安時代中期の源頼季(よりすえ)は、信濃源氏の祖とされている。
源頼季(よりすえ)が嫡男の満実と共に信濃国井上郷に移住、
同族の「高梨」氏、米持氏、須田氏を周囲に配して、領地を経営した
とのこと。

頼季の孫で、高梨家の三男盛光が分家するに当たり、「たかなし」の
音はそのままに、「小鳥遊」と名乗ったのが最初のようだ。 
後に、略して「鳥遊」とも。
次男盛高は「鳥楽」として、これまた「たかなし」と訓んだとのこと。
「高梨」が「鷹無し」に転じて、そこからの間接表現である。

映像さえ浮かんで来るかのようで、小鳥好きの私には堪らない♪



「月見里」さんと書いて、「やまなし」さんと訓む。
「つきみさと」さんと訓むお家もありますが、実に美しい!

「やまなし」と訓む所以は、やっぱりそうなのか。
「山が無いから、お月様が良く見える里」とは
何という風流な間接表現なのだろうか!

お月見400

しかし、音からすると「山梨」と関わりがありそうなものの
山梨は山国である。
ところが、山梨周辺の山の高さ程度の場合、
古代では山と呼ばずに「岡」と呼んだという説があり
その論法で行けば、山が無いことになる訳である。

この「山梨」にしても、果たして「山無し」なのか
「山梨の木」なのかで事情が違って来る。

一説には、「月見里」は「山梨」の古名であるという。
1500年前に権勢を振るった物部氏の支配地には、
「やまなし」「やまな」の地名が残っているようで、
また、応神天皇のお妃には物部山無媛(やまなしひめ)という
お名前が残っている。
静岡県の藤枝市には、月見里神社(やまなしじんじゃ)がある。

他の説では
甲斐の清和源氏「山梨」氏と下総の桓武平氏「山梨」氏
「山梨」氏族には二流あって、下総の山梨氏が甲斐の山梨氏との
区別をはっきりさせる為に、「月見里」と名乗ったというものがある。
しかし、この場合、中世の古文献に山梨や静岡関係で「月見里」姓が
見受けられるということが不自然になる。

何れにせよ、お月見の景観が素晴らしいということに思いを寄せた
いにしえ人の、その感性の何と風雅であったことか!



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