日本の苗字の数

日本の苗字の数は世界最多


日本の苗字の数は、おそらく世界最多である。

韓国には約300姓(249姓+百戸以下の79姓)
中国には約700姓あるという。

中国の場合、春秋戦国時代(紀元前770~221)の頃には
3700姓程あったというが、時代を経て、減少したことになる。

両国では、姓の数が少ない理由としては、祖先崇拝の念が強い為に、
祖先から受け継いだ姓を尊んで、改姓を嫌う傾向があるのだろう。
また、日本でのように、在所の地名を姓にする風習がなかったことも、
大いに関係しているはずと思われる。

日本の苗字の正確な数は、把握出来ていない。
確認出来ている数は12万姓とも、13万5千姓とも言われており、
27万姓とする文献もあるのが現状である。
何れにせよ、ヨーロッパ全体でも6万姓とのデータがあることから
すれば、如何に日本の苗字の数が多いか解る。

平城京S400

平安時代の初期(815年)に
姓氏詐称の横行対策として、桓武天皇の命に依り編纂された
「新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)」という姓氏辞典には
1182氏が収録されているので、日本の姓氏の数は、千年で百倍に
なったことになる。
因みに、当時の人口は約600万人であったとの説がある。
人口は20倍、姓氏の数は100倍になったことになる。

一般に、苗字、名字と言うが、その歴史は複雑である。
そもそも、「姓氏」とは、
姓(かばね)は、古代豪族が政治的、社会的地位を示す為に
世襲した「称号」で、氏(うじ)は、血縁関係にある家族群で
構成された集団を指す。
称号としての苗字は、職業や地名、官職、出身国に由来するものが
多かったようである。

平城京W400

日本の政治を千年に渡って支配した藤原一門であれば、
左衛門尉の藤原氏だから「左藤」で、後に縁起を担いで「佐藤」
あるいは、下野国佐野の藤原氏だから、「佐藤」
伊勢の藤原氏、伊賀の藤原氏だから、「伊藤」
木工寮頭の藤原氏だから、「工藤」
遠江の藤原氏だから、「遠藤」
天皇の側近として、「近衛」や「鷹司」…
屋敷の在る通りで一条、三条、九条…
という風に、通称としての苗字が増加した訳である。

また、日本語には和語に漢字を当てて出来た語句が多く、
漢字に訓読みがあって、音読みと交えて使うことが出来るので、
組み合わせが多くなったという事情もある。

「平」姓の「たいら」一つにしても
「多比羅」「太良」「平楽」「平良」「田平」…と、バラエティーに
富んでいるのであるから、勢い苗字の数は増える訳である。
また、お家の繁栄を願って、「尾藤」を「美藤」という風に、
瑞祥文字で飾ることもあったようであるから、尚のこと。

明治8年の太政官布告に依って、苗字+名前の必称令で国民皆姓と
なったのは事実であるが、歴史上、それまで一般の庶民が苗字を
持ったことがなかったのかというと、そうではない。

正倉院400

正倉院に残されている奈良時代の戸籍簿にも、平安時代の戸籍調査でも
当時の農民も氏を称している記録が残されている。
武家が庶民の武装化を恐れて、苗字帯刀を禁じたのは、室町時代以降の
ことで、数百年間のことに過ぎないのだ。
その間にも、家系は語り継がれていたり、隠し姓として伝えられて
いたりで、祖先の氏素性や苗字が判らなくなってしまった人々が、
いざ苗字を名乗ることを義務化されて、新姓を創成するのに混乱したと
いうのは、どうやら一部の騒動であったようだ。




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