帝国憲法四方山話④ …上諭(じょうゆ)

 2013-10-10
帝国憲法四方山話④ 

           …大日本帝国憲法 上諭



大日本帝国憲法 上諭(じょうゆ) 明治22年(1889年)2月11日
(カタカナをひらがなに変換&ふりがな表記) 文責在詠山史純 


朕(ちん)、祖宗(そそう)の遺烈(いれつ)を承(う)け、万世一系の帝位を
践(ふ)み、朕か親愛する所の臣民は、即ち、朕か祖宗の恵撫慈養(けいぶじよう)し
たまひし所の臣民なるを念(おも)ひ、其の康福(こうふく)を増進し、
其の懿徳良能(いとくりょうのう)を発達せしめむことを願ひ、又、其の翼賛
(よくさん)に依り、与(とも)に倶(とも)に国家の進運を扶持(ふぢ)
せむことを望み、乃ち、明治十四年十月十二日の詔命(しょうめい)を履践
(りせん)し、茲(ここ)に大憲を制定し、朕か率由(そつゆう)する所を
示し、朕か後嗣(こうし)及、臣民及臣民の子孫たる者をして、永遠に循行
(じゅんこう)する所を知らしむ。

国家統治の大権は、朕か之を祖宗に承けて、之を子孫に伝ふる所なり。
朕及朕か子孫は、将来、此の憲法の条章に循(したが)ひ、之を行ふことを
愆(あやま)らさるへし。

朕は、我か臣民の権利及財産の安全を貴重し、及、之を保護し此の憲法及法律
の範囲内に於て、其の享有(きょうゆう)を完全ならしむへきことを宣言す。

帝国議会は、明治二十三年を以て、之を召集し、議会開会の時を以て、
此の憲法をして有効ならしむるの期とすへし。

将来、若、此の憲法の或る条章を改定するの必要なる時宜を見るに至らは、
朕及朕か継統の子孫は、発議の権を執り、之を議会に付し、議会は此の憲法に
定めたる要件に依り、之を議決するの外、朕か子孫及臣民は敢て、之か紛更
(ふんこう)を試みることを得さるへし。

朕か在廷の大臣は、朕か為に、此の憲法を施行するの責に任すへく、朕か現在、
及、将来の臣民は、此の憲法に対し、永遠に従順の義務を負ふへし。


明治憲法1


※上諭…君主が臣下に告げて、諭す文書。
明治憲法下に於いて、法律、条約などを公布する際、天皇の裁可があったこと
を示す為、冒頭に付した文章。

●祖宗(そそう)
皇祖皇宗(神武天皇および歴代天皇)のご神霊

●遺烈(いれつ)
先人の残した功績。後世に遺る立派な業績、功績。

●万世一系(ばんせいいっけい)
天皇の血統が永遠に一系統で続くことを示す。

●恵撫(けいぶ)
恵み、労わること。

●慈養(じよう)
目下や幼少の者を養い、育てること。慈愛を以って、養育すること。

●臣民(しんみん)
君主国に於いて、君主の支配の対象となる人々。
明治憲法下に於ける、天皇・皇公族以外の国民。

●懿徳(いとく)
立派な徳。

●良能(りょうのう)
生まれながらに備わっている優れた才能。

●翼賛(よくさん)
力を添えて助けること。 天皇の政治を補佐すること。

●扶持(ふぢ、ふち)
援助すること。力を貸すこと。

●詔命(しょうめい、じょうめい)
天皇のご命令。詔(みことのり)。
「明治十四年十月十二日の詔命」とは、
1881年10月12日の「国会開設ノ勅諭」を指す。

●履践(りせん)
実行すること。実践すること。 

●率由(そつゆう)
前例から外れないようにすること。 

●循行(じゅんこう)
順路に従って、巡り歩くこと。命令に服従して、行うこと。

●愆る(あやまる)
過る。罪科を犯す。時期を違える。機を逸する。

●享有(きょうゆう)
権利や能力等を、人が生まれながらにして、身に付けて持っていること。

●紛更(ふんこう)
秩序が無く、無闇に改め変えること。


明治憲法上諭


現代語訳 (文責在詠山史純)

(第1節)
朕(われ)は、我が祖先(神武天皇)、歴代天皇が残された功績を受け、
万世一系の帝位に身を置き、我が親愛なる臣民は、すなわち、我が祖先、
歴代天皇が慈しみ、養い育てたところの臣民であることを思い、その幸福を
増進し、その立派な徳と生まれながらに備わっている優れた才能を発達させる
ことを願い、また、その補佐に依って、共に国家の進歩、発展する機運を助け、
支えてくれることを望む。
つまり、明治十四年十月十二日の「国会開設ノ勅諭」を履行し、ここに憲法を
制定し(天皇の権能を定め)、朕(われ)が前例から外れないようにするところ
を示し、我が跡継ぎ、及び、臣民と、またその子孫が、永遠に憲法に従い、
実行するところを強いて知らせる。

(帝権の由来、憲法制定の理由が示され、天皇と天皇の後嗣は憲法の規定に
従って、国家の統治権を行使すべき立憲君主のお立場が示されている)


(第2節)
国家統治権は、朕(われ)がこれを我が祖先、歴代天皇より受け継ぎ、また、
子孫に伝えて行くものである。
朕(われ)及び、我が子孫は将来、この憲法の規定に従って、国家統治権を
行使することを誤ってはならない。

(国家統治権は皇室の世襲に属すること、国家統治権を行使するには憲法の
規定に従うことを明記)


(第3節)
朕(われ)は、我が臣民の権利、及び財産を安全に貴重保護し、この憲法、
及び法律の範囲内に於いて、その享有を完全に確かなものとして良いと
宣言する。

(臣民の権利財産を安全に貴重保護することを天皇が確約したもの。
また、逆に、国家が制約する場合に於いても、それは必ず憲法及び法律の
範囲内でなければならないことを意味することになる)


(第4節)
帝国議会は明治23年を以って召集され、議会開会の時(明治23年1月29日)
を以って、この憲法が有効となる期日とする。

(憲法の有効化以降、帝国議会の協賛無くして、法律制定出来なくなった)


(第5節)
将来、この憲法のある条文を改正する必要が出た時期に至ったならば、
朕(われ)、及び我が子孫はその改正を発議し、これを議会に提出、議会は
この憲法に定められた要件に従がって、これを議決する以外、我が子孫、及び
(その時代の)臣民は決して、これを乱して、無闇に改め変えようとすること
があってはならない。

(憲法改正の要件を定めたもので、憲法改正案の提出は天皇の権限、
つまり、発議には先ず勅命を必要とした。憲法改正条項は第73条)


(第6節)
朕(われ)の朝廷に仕えている大臣は、朕(われ)の為に、この憲法を
施行する責任を有し、朕(われ)の現在、及び将来の臣民はこの憲法に対し、
永遠に従順の義務を負わなければならない。


明治憲法SS



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