華やぐ日々よ …詠山史純の愚考拙文録 神々に捧げる言葉①…天津祝詞(あまつのりと)

神々に捧げる言葉①…天津祝詞(あまつのりと)

神々に捧げる言葉①…天津祝詞(あまつのりと)

…禊祓詞(みそぎはらえのことば)



祝詞は、「宣り言(のりごと)」「宣り聞かせる言葉」を語源とするようで、
古くは神職がご祭神に対し、その霊力を讃え、祈願するところの成就を願う
言葉を申し上げる「奏上体」の祝詞と、祭祀の場に参集した人々に対して、
神に奏上するその祭祀の意義や目的を宣り聞かせる「宣命体」の祝詞に大別
されたようである。

奈良時代、律令体制が整備された段階で、神々に向かって捧げられる言葉は
中国の「祝文」に倣い、総べて「祝詞」と包括されたということであるが、
そもそも、神々の霊力を讃える「タタエゴト」(讃えごと)
願い事の成就を祈る「イハヒゴト」(祝ひごと)
祭儀の前に祓い清める為の「ハラヘコトバ」(祓え言葉)
卜占の結果を文字に表わした「ノリト」(祝詞)
天皇の長寿を讃える「ヨゴト」(寿詞)
葬儀で死者を弔う「シノビゴト」(誄《しのびごと》)と
用途別に呼び名が細分化されていたとのことである。

古代の日本人は自らの発する言葉に神霊を感じ、言葉に宿る神秘的な霊力を
言霊(ことだま)として、言語に対する畏怖の念を抱いていたと推察される。
「言霊は、いふ言(こと)に即ち神の霊まして、助くるよし也」(賀茂真淵)で、
「言(こと)」が、そのまま「事(こと)」であり、「言語の妙用」で、言霊が
「事」の実現を支配すると信じられていたのであろう。
現代に生きる私も、この言霊信仰を前提として、神々との交感を願い、誠の心
を込めて、祝詞を唱えつつ、神々に祈りを捧げている。


神宮450


神道に於いて際立つのは罪や穢れ(けがれ)を清める「禊祓え(みそぎはらえ)」
の思想である。
日々の祈りの中でも、「祈願を目的としてご神前に奏上する祝詞」と祓い清めて
頂く為に唱える「祓詞」(はらえことば)とは一線を画するものである。

「天津祝詞(あまつのりと)」は、復古神道(古道)の大成者である平田篤胤が、
神祇伯(律令制の神祇官の長官)白川家や伊勢神宮、その他の神社や諸神道に
伝えられる祝詞を再編し、文化12年(1815年)、その著書「大祓太詔刀考」に
発表された祓詞(はらへのことば)である。
中世以来の「美曾岐祓(みそぎはらえ)」四篇を編修し、一篇に纏めたという説もある。
神社本庁では「天津祝詞」を正式採用してはいないが、「天津祝詞」を簡略化
した「祓詞(はらえのことば)」「略拝詞(りゃくはいし)」を制定している。
「天津祝詞」を奉唱するのは神道系新宗教の教団に多く、その神社や流派に
依って、「高天原」を「たかまがはら」と訓むか、「たかあまはら」と訓むかや、
「阿波岐原」を「あわぎがはら」と訓むか、「あはぎはら」と訓むか、
「生坐る」を「あれませる」と訓むか、「なりませる」と訓むか、
「禊祓へ給へし時に」か、「禊祓ひ給ふ時に」か、
「祓ひ給へ清め給へと」か、「祓へ給ひ清め給ふと」か、
「天の斑駒の耳振立て」の部分を読むか、読まぬかなど、
文言や漢字の訓みに若干の違いはあるものの、本質的な相違は無い。


古社450


天津祝詞(あまつのりと)…禊祓詞(みそぎはらへのことば)


高天原に神留坐す。
たかあまはらに かむづまります。

神魯岐神魯美の詔以ちて
かむろぎ かむろみの みこともちて。

皇御祖神伊邪那岐大神。
すめみおやかむ いざなぎのおおかみ。

筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に
つくしの ひむかの たちばなの おどの あわぎがはらに

御禊祓へ給へし時に 生坐せる祓戸の大神等。
みそぎはらエたまエしときに あれませる はらえどのおおかみたち。

諸々の枉事罪穢を祓ひ賜へ 清め賜へと
もろもろのまがごと つみけがれを はらイたまエ きよめたまエと

申す事の由を 天津神国津神
まをすことのよしを あまつかみくにつかみ

八百万の神等共に聞食せと 
やおよろづのかみたちともに きこしめせと

(天の斑駒の耳振立て)
(あめのふちこまの みみふりたてて)

恐み恐みも白す。
かしこみ かしこみもまをす。
(文責在詠山史純)

諏訪大社450


(現代語訳)
高天原にいらっしゃる男神様カムロギノミコトと女神様カムロミノミコトの
ご教示に依って、天皇陛下の祖神であらせられるイザナギの大神が筑紫の
日向の橘の小戸の阿波岐原で、黄泉の国での穢れを禊ぎ祓えされた時に
現われ為さった祓戸の大神たちよ。
色々な悪いことや、罪、穢れなどがありましたら、どうぞお祓い下さい、
お清め下さいとお願い申し上げることを、天の神様、地の神様、全ての神様も
ご一緒に(斑模様のある天馬が、耳を振り立てるようにして)、どうかお聞き
届け下さいと恐れながら、お願い申し上げます。
(文責在詠山史純)















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テーマ : 宗教・信仰 - ジャンル : 学問・文化・芸術

2014/01/07 02:44 | 天神地祇COMMENT(1)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

猫さん、可愛すぎますうっ!!

No:187 2015/01/27 00:05 | 匿名 #- URL [ 編集 ]

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