社名(商号)変更の歴史夜話⑱…キヤノン㈱
2017-05-24
社名(商号)変更の歴史夜話⑱…キヤノン㈱
我が国では1980年代、社名(商号)を変更する企業が急激に増加した。
「早稲田商学」357号(1993年7月)所収論文「社名変更に対する株式市場の反応」
の研究に依れば、「1981年4月から1992年3月までに,東証1部上場企業で
社名を変更した企業は175社に及ぶ」とのことである。
企業は様々な理由で、社名を変更する。
社名変更の主な理由としては、「事業の多角化や業態の変更、事業領域の拡大」、
「合併や吸収」、「略称や通称への変更」、「ブランド名への変更」、「イメージ刷新」、
「系列や傘下入り」等が挙げられる。
何れにせよ、企業は経営全般の革新、イメージの向上、社内の活性化など、
何らかのプラス効果を期待し、社名変更を行なうはずである。
相と実体は相関関係にあり、人物の名相にその後天運が暗示されている様に、
会社名(法人名、商号、屋号)の名相にも、その企業の栄枯盛衰の有り様が
暗示されている。
不思議なもので、成功する企業は自ずと吉祥名を選定する様になっている。
キヤノン㈱
昭和8年(1933年)、高級小型写真機の研究を目的とする「精機光学研究所」を開設。
国産初の35mmレンジファインダーカメラの試作機「KWANON(カンノン)」
昭和9年(1934年)
※画像は、キヤノン株式会社様のキヤノンカメラミュージアムより拝借。
『1934年、キヤノンから国産初の35mmレンジファインダーカメラの試作機である
「KWANON(カンノン)」が誕生しました。
試作機「カンノン」は、観音様の慈悲にあやかり、世界で最高のカメラを創る夢を
実現したいという願いを込めて名付けられ、レンズにもブッダの弟子の名前に
由来する「KASYAPA(カシャパ)」という名前が付けられました。
また、カメラボディーの軍艦部には千手観音のマークが刻印されています』
《以上、キヤノンカメラミュージアム様の解説を引用》
昭和10年(1935年)、「キヤノン」「Canon」を商標登録。
35mmフォーカルプレーンシャッター式距離計連動カメラ標準型
昭和11年(1936年)、キヤノン製35mmレンジファインダーカメラとしての
第一号機である「ハンザキヤノン」を発売。
※画像は、キヤノン株式会社様のキヤノンカメラミュージアムより拝借。
昭和12年(1937年)、「精機光学工業株式会社」を設立。
昭和22年(1947年)、「キヤノンカメラ株式会社」に社名変更。
昭和44年(1969年)、「キヤノン株式会社」に社名変更。
「キヤノン」の語源に就いて、キヤノン(株)様のHP 会社情報「キヤノンロゴ」に、
「Canonの語源には、『正典』『規範』『標準』という意味があります。
そこにはキヤノンが先進の技術とサービス活動において世界の標準となり、
また業界の規範として活動していくという企業精神が込められています」とある。
尚、「キャノン」ではなく、「キヤノン」と「ヤ」の字を大文字にするのが、
昭和22年(1947年)の社名変更以来の正式な表記であるが、「全体の見た目の
文字のバランスを考え、きれいに見えるようにしたから」という、デザイン上の
理由とされている。
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