社名(商号)変更の歴史夜話(58)…わかもと製薬㈱

 2017-07-15
社名(商号)変更の歴史夜話(58)

…わかもと製薬㈱




我が国では1980年代、社名(商号)を変更する企業が急激に増加した。
「早稲田商学」357号(1993年7月)所収論文「社名変更に対する株式市場の反応」
の研究に依れば、「1981年4月から1992年3月までに,東証1部上場企業で
社名を変更した企業は175社に及ぶ」とのことである。

企業は様々な理由で、社名を変更する。
社名変更の主な理由としては、「事業の多角化や業態の変更、事業領域の拡大」、
「合併や吸収」、「略称や通称への変更」、「ブランド名への変更」、「イメージ刷新」、
「系列や傘下入り」等が挙げられる。
何れにせよ、企業は経営全般の革新、イメージの向上、社内の活性化など、
何らかのプラス効果を期待し、社名変更を行なうはずである。

相と実体は相関関係にあり、人物の名相にその後天運が暗示されている様に、
会社名(法人名、商号、屋号)の名相にも、その企業の栄枯盛衰の有り様が
暗示されている。
不思議なもので、成功する企業は自ずと吉祥名を選定する様になっている。



わかもと製薬㈱

昭和4年(1929年)、東京市芝公園大門に長尾欽弥氏らが
「合資会社 栄養と育児の会」を設立。

東京帝国大学農学部の農芸化学者沢村真博士の協力を得て、ビール酵母を
単一で製剤化した、初めての家庭薬である「若素(わかもと)」を発売。
商品名「若素(わかもと)」は、「若さの素」を意味する。

昭和6年(1931年)、「若素」を「わかもと」と、ひらがな表記に変更。

昭和8年(1933年)、「株式会社 栄養と育児の会」を設立。

昭和18年(1943年)、「わかもと製薬株式会社」に社名変更。


第94記事1
戦前の「わかもと」
※画像は、一般社団法人北多摩薬剤師会様のHP依り、拝借。


昭和37年(1962年)、乳酸菌数を増量し、ビタミンB1、B2、ニコチン酸アミド、
ビール酵母等を強化充実させた「強力わかもと」を発売。

平成16年(2004年)、「強力わかもと」は医薬品から医薬部外品へと移行。


国民の栄養状態が極めて悪かったという昭和初期、栄養補給を主目的とした
ビール酵母単一製剤を安価な大衆保健薬として誕生させ、順次の改良に依って、
発売当初の「わかもと」よりも一層強力な、一剤で酵母剤、酵素剤、乳酸菌剤、
栄養剤の働きを併せ持つ、安価な胃腸薬を国民に提供した社会的功績は大きい。





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