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終戦の詔勅…大東亜戦争終結ニ関スル詔書

 2017-08-16
終戦の詔勅

…大東亜戦争終結ニ関スル詔書



朕(ちん)深く世界の大勢と、帝国の現状とに鑑み、非常の措置を以って、
時局を収拾せんと欲し、
茲(ここ)に忠良なる爾(なんじ)臣民(しんみん)に告ぐ。


朕(ちん)は帝国政府をして、米英支蘇四国に対し、其の共同宣言を受諾する旨
通告せしめたり。

※蘇国:ソ連のこと。


抑々(そもそも)帝国臣民の康寧(こうねい)を図り、万邦共栄の楽を
偕(とも)にするは、皇祖皇宗の遺範にして、朕(ちん)の拳々(けんけん)
措かざる所、曩(さき)に米英二国に宣戦せる所以(ゆえん)も
亦(また)実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾(しょき)するに出て、
他国の主権を排し、領土を侵すが如きは、固(もと)より朕(ちん)が志にあらず。

※康寧(こうねい):平穏無事であること。安寧。
※皇祖皇宗:天皇の始祖たる神武天皇と当代に至る迄の歴代の天皇。
※遺範:先人から遺された手本。
※拳々:両手で恭しく捧げ持つこと。
※曩(さき)に:先に。以前に。
※所以(ゆえん):訳。理由。
※庶幾(しょき)する:切に願い望むこと。


然るに、交戦已に四歳を閲し、朕が陸海将兵の勇戦、朕が百僚有司の励精、
朕が一億衆庶の奉公、各々最善を尽せるに拘らず、戦局必ずしも好転せず、
世界の大勢、亦(また)我に利あらず。

※閲する:経過すること。
※百僚:多くの官吏。百官。
※有司:役人
※励精:精を出して励むこと。また、その様。精励。

加之(しかのみならず)、敵は新たに残虐なる爆弾を使用して、頻(しきり)に
無辜(むこ)を殺傷し、惨害の及ぶ所、真に測るべからざるに至る。

※加之(しかのみならず):そればかりでなく。それに加えて。
※無辜(むこ):罪の無いこと。また、その人。


而(しか)も尚、交戦を継続せむか、終(つい)に我が民族の滅亡を
招来するのみならず、延(ひ)いて人類の文明をも破却すべし。

斯の如くんば、朕(ちん)何を以ってか、億兆の赤子を保し、皇祖皇宗の神霊に謝せむや。

是れ、朕が帝国政府をして、共同宣言に応せしむるに至れる所以なり。

朕は帝国と共に終始、東亜の解放に協力せる諸盟邦に対し、遺憾の意を
表せざるを得ず。

帝国臣民にして、戦陣に死し、職域に殉じ、非命に斃れたる者、及(および)
其の遺族に想を致せば、五内(ごだい)為に裂く。

※五内(ごだい):五臓の意。
※五内為に裂く:これが為に、全身が裂かれる様に痛む。
これが為に、これ以上辛いことは無い。


且(かつ)、戦傷を負い、災禍を蒙(こうむ)り、家業を失いたる者の厚生に
至りては、朕の深く軫念(しんねん)する所なり。

※軫念(しんねん)する:天子が心を痛め,心配すること。


惟(おも)うに今後、帝国の受くべき苦難は固(もと)より、尋常にあらず。

爾(なんじ)臣民の衷情も、朕(ちん)善く之を知る。

※衷情:嘘偽りの無い心。真心。衷心。誠意。


然れども、朕(ちん)は時運の趨(おもむ)く所、堪え難きを堪え、
忍び難きを忍び、以って、万世の為に太平を開かんと欲す。

朕は茲(ここ)に国体を護持し得て、忠良なる爾(なんじ)臣民の赤誠に
信倚(しんい)し、常に爾(なんじ)臣民と共に在り。

※赤誠:少しも嘘偽りの無い心。ひたすら真心を以って、接する心。
※信倚(しんい)する:信じ頼ること。信頼すること。


若し夫れ、情の激する所、濫(みだり)に事端を滋(しげ)くし、
或いは、同胞排擠(はいせい)互に時局を乱り、為に大道を誤り、
信義を世界に失うが如きは、朕(ちん)最も之を戒む。

※事端:事件の糸口。事の起こり。事の端緒。
※事端を滋(しげ)くする:事件を沢山引き起こすこと。
※排擠(はいせい):人を押し退けたり,陥れたりすること。排斥。


宜しく挙国一家子孫相伝え、確けく神州の不滅を信じ、任重くして、道遠きを
念(おも)い、総力を将来の建設に傾け、道義を篤くし、志操を鞏(かた)くし、
誓って、国体の精華を発揚し、世界の進運に後(おく)れざらんことを期すべし。

爾(なんじ)臣民(しんみん)、其(こ)れ克(よ)く、朕(ちん)が意を体せよ。
(文責在詠山史純)

御名御璽

昭和二十年八月十四日

内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
海軍大臣 米内光政
司法大臣 松阪広政
陸軍大臣 阿南惟幾
軍需大臣 豊田貞次郎
厚生大臣 岡田忠彦
国務大臣 桜井兵五郎
国務大臣 左近司政三
国務大臣 下村宏
大蔵大臣 広瀬豊作
文部大臣 太田耕造
農商大臣 石黒忠篤
内務大臣 安倍源基
外務大臣兼大東亜大臣 東郷茂徳
国務大臣 安井藤治
運輸大臣 小日山直登


終戦の詔勅1

終戦の詔勅2

終戦の詔勅3

終戦の詔勅4
国立公文書館所蔵


終戦に関するテレビ番組等では、玉音放送の「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び」の
一部分が象徴的に用いられ、恰も昭和天皇が国民に対し、「堪え難きを堪え、
忍び難きを忍べ」とご命令為さった如くに解釈させたいが為であろうが、
恣意的に編集されることが常態化している。
しかし、「然れども、朕は時運の趨く所、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、
以って、万世の為に太平を開かんと欲す」とある如く、この「堪え難きを堪え、
忍び難きを忍び」の主語は、昭和天皇御自身であり、「(朕は)堪え難きを堪え、
忍び難きを忍んで、これからもずっと続いて行く将来の為に、太平を築いて
行きたい(文責在詠山史純)」と仰ったのである。

※張横渠の立言「天地の為に心を立つ。生民の為に命を立つ。
往聖の為に絶学を継ぐ。『万世の為に太平を開く』」


敗戦の哀しみ
玉音放送を拝聴し、敗戦の哀しみに涙を流す、海軍軍需工場に勤労動員された
女子挺身隊の可憐な女学生


昭和20年12月15日、占領軍の連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は、
日本政府に対し、神道指令を発し、「大東亜戦争」という呼称の使用を禁止した。

「国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件」
(昭和二十年十二月十五日
連合国軍最高司令官総司令部参謀副官発第三号《民間情報教育部》
終戦連絡中央事務局経由日本政府ニ対スル覚書)
「公文書ニ於テ『大東亜戦争』、『八紘一宇』ナル用語乃至ソノ他ノ用語ニシテ
日本語トシテソノ意味ノ連想ガ国家神道、軍国主義、過激ナル国家主義ト
切り離シ得ザルモノハ之ヲ使用スルコトヲ禁止スル、而シテカカル用語ノ
却刻停止ヲ命令スル」

そして、日本人は「大東亜戦争」とは歴史観も価値観も全く異なる、
「太平洋戦争」という呼称を強要されたのである。
「大東亜戦争」という呼称は、昭和16年(1941年)12月12日、東條内閣が、
支那事変も含めた上で、閣議決定したものである。
我が国は「大東亜戦争」を戦ったのであって、「太平洋戦争」を戦ったのではない。





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