御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(34)…マッカーサー憲法の啓蒙9

 2018-02-03
御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(34)


…マッカーサー憲法の啓蒙9



「新しい憲法 明るい生活」

※昭和22年(1947年)5月3日の日本国憲法施行に合わせ、
新憲法普及を目的として、政府が設けた「憲法普及会」で
2千万部の小冊子「新しい憲法 明るい生活」が作成され、
全国の家庭に配布された。



(11)国会は、私たちの代表

我が国の政治の仕組みは、国会と内閣と裁判所の三つに分けられている。

国会は国の予算を決めたり、法律を作ったり、内閣はこの法律に拠って、
政治を行ない、裁判所はこの法律を正しく解釈して、それを実行するのである。

従がって、国の最高の権力を握つているものは国会であって、これがただ一つの
立法機関である。(第41条)
その国会の議員を選ぶのは、私たち国民であるから、私たちは取りも直さず、
国の政治の一番の大本である。

国会は、衆議院と参議院の二つから成り立っている。
衆議院の組織はこれまでと大差無いが、参議院はこれまでの貴族院が、皇族、
華族、及び一部の特権階級の人々から出来ていたのと違って、衆議院と同じ様に、
やはり、私たちが選挙に依って選んだ議員で組織することになった。
(第42条―第64条)

国の政治に必要な費用をどう使うかということも、国会で決める。
また、新しい税金を取ることや、税金の種類を変えることも、国会が法律として、
決めなければやれない。(第83条―第86条)

この様に、国会議員の任務はこの上も無く、重いものであるから、私たちは
本当に信頼の出来る、立派な人物を選ばなければならない。
そして、国の政治を担う者は、結局は国民自身であることを、私たちは深く
考えなければならないのである。


第155記事19461103公布詔書を読まれる昭和天皇
昭和21年(1946年)11月3日
新憲法典「日本国憲法」公布詔書を朗読される昭和天皇



※平仮名の漢字化、現代仮名遣い等、若干の修正(文責在詠山史純)


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御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(33)…マッカーサー憲法の啓蒙8

 2018-02-03
御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(33)


…マッカーサー憲法の啓蒙8



「新しい憲法 明るい生活」

※昭和22年(1947年)5月3日の日本国憲法施行に合わせ、
新憲法普及を目的として、政府が設けた「憲法普及会」で
2千万部の小冊子「新しい憲法 明るい生活」が作成され、
全国の家庭に配布された。



(9)健康で明るい生活
 
世間を見渡すと、不幸な人は沢山ある。
乞食、浮浪者、行き倒れの病人など、こういう気の毒な人々が戦争後は愈々
多くなって来た。

新憲法では、全ての国民は健康で、文化的な最低限度の生活を営むことを認めており、
国は気の毒な人々を助け、国民一人残らず、人間らしい生活の出来る様に
努めなければならないと定めてある。(第25条)

また、国民は全て働く権利と義務があり、働きたい人に職を与えることも
国の仕事の一つとなった。

また児童に、無理な働きをさせてはならない。(第27条)

働く人々が団結して組合を作り、会社や工場の雇主に対して、働く時間のことや
賃金のことなどを掛け合うことも初めて認められた権利である。(第28条)


第154記事戦災孤児Tokyo, Japan in 1946 (1)

第154記事1

第154記事2
当時は「浮浪児」と呼ばれた、戦災孤児たちの惨状

泣きまくり



(10)役人は公僕である

 憲法に定めがあったにも拘わらず、実際には最近まで、警察や検事局が国民を、
手続き無しに捕えて、幾日も留置場へ入れておいたり、惨い方法で取調べを行ない、
無理やりに自白させたりすることも少なくなかった。

新憲法では全て、こうした不法な酷いことを固く禁じた。
また、罪を犯した者も必ず、速やかに公平な公開の裁判を受けられる様になった。
もし間違って、罪人の扱いを受けた場合は、国に対しての損害の賠償も求める
ことが出来る様になった。(第31条―第40条)

これからは、悪いことをしない限り、徒に警察や検事局を怖がる必要は無くなった。
そればかりか、これからの役人は、国民の生活を守ってくれる、私たちの「公僕」となった。


第154記事昭和26年
昭和26年(1951年) 子供に、優しく声を掛ける警視庁巡査




※平仮名の漢字化、現代仮名遣い等、若干の修正(文責在詠山史純)


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御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(32)…マッカーサー憲法の啓蒙7

 2018-02-02
御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(32)


…マッカーサー憲法の啓蒙7



「新しい憲法 明るい生活」

※昭和22年(1947年)5月3日の日本国憲法施行に合わせ、
新憲法普及を目的として、政府が設けた「憲法普及会」で
2千万部の小冊子「新しい憲法 明るい生活」が作成され、
全国の家庭に配布された。



(7)自由の喜び

「自由」とは一体、何であろうか。
一口に言えば、自分の良心に従がって生きることである。
長い間、私たちには、その自由さえも制限されていた。
私たちは、何とかしてもっと自由が欲しいと願っていた。
今、その願いが果されたのである。

私たちは、どんな考えを持っても良い。(第19条)。
神道でも、キリスト教でも、仏教でも、その他どんな宗教を信じても良い。
政府が私たちに対して、特別の宗教教育を行ない、この宗教を信じなければ
いけないなどと言い付けることは許されなくなった。(第20条)

私たちは、どんな会合をやっても、どんな団体を作っても自由である。
演説をしたり、新聞や雑誌を出したりすることも自由になった。
どんな職業を選んでも良いし、学問の自由もまた認められた。
これらは何れも、新憲法が私たちに与えてくれた贈りものである。
(第21条―第23条)


第153記事笠置シヅ子
ブギの女王 笠置シヅ子


(8)女も男と同権

我が国では兎角、女は男より一段と低いものとして、扱われがちであった。
人としての尊さは、女も男と何の変わりも無い。

これまで、結婚の場合など、自分が嫌だと思っても、親の意見に従がわなければ
ならぬことがあった。
しかし、新憲法では、結婚は男女双方の気持ちがあった場合だけに行われるので、
自分の心に合わない結婚をさせられることの無い様に定めてある。

また、夫婦は同等の権利を持ち、財産のことや相続のことについても、
今までの様に、男だけを重く扱い、女を軽んずるということの無い様になった。
(第24条)。
戸主や父親だけが特別に、一家の中心となっていた我が国の昔からの「家」の
制度も変わって、お互いの人格を尊び、男女の平等を主眼として、家庭を営む様に
改められた。

この様に、男と女は全く平等になり、今までの様な家族制度に縛られることは
無くなった。
その代わり、これからの男女は、結婚や夫婦生活に対して、全く自分で責任を
負う必要がある。
特に、日本の女は今まで、親や親族の言う侭になることに慣れていたから、
この大切な判断をする力に欠けたところがある。
新憲法で高められた女の地位を生かす為には、日本の女は更に一層、その見識を
深める様に努力しなければならない。


第153記事第90回帝国議会
昭和21年(1946年)5月16日
第90回帝国議会 衆議院本会議場の女性代議士39人



※平仮名の漢字化、現代仮名遣い等、若干の修正(文責在詠山史純)





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御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(31)…マッカーサー憲法の啓蒙6

 2018-02-02
御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(31)


…マッカーサー憲法の啓蒙6



「新しい憲法 明るい生活」

※昭和22年(1947年)5月3日の日本国憲法施行に合わせ、
新憲法普及を目的として、政府が設けた「憲法普及会」で
2千万部の小冊子「新しい憲法 明るい生活」が作成され、
全国の家庭に配布された。



(5)人はみんな平等だ

 人は誰でもみんな、生れながらに「人としての尊さ」を持っている。
この尊さを侵されないことが、人として、最も大切な権利であろう。
新憲法は何より先に、先ずこの権利を与えてくれる。(第11条)

そして、私たちの生命や自由を守り、幸福な生活が出来る様に、政治の上でも
色々と考えてくれる様に約束されている。
新憲法はこの考えを基として、十分な自由と権利とを与えてくれたのである。(第13条)


第152記事沖縄戦で捕虜となった鉄血勤皇隊の少年達
沖縄戦で捕虜となった鉄血勤皇隊の少年兵


軍閥が政治を行なった時代には、「国家の為に」とか、「国民全体の為に」とか
いう名目に依って、私たちは、一部の政治権力を握る人々の為に、働かされたり、
権利を踏み躙られたこともしばしばあった。
これからは、私たちは、自分の権利を守ることが出来るというばかりでなく国の
政治は、国民みんなの自由と幸福を何よりも大切に考えて、行われることになった。

また、全ての国民は、法律上は全く平等であって、あの人は家柄が良いから、
私たちより偉いとか、女は男より卑しいものだとか、そんな差別は一切
許されないこととなった。
華族制度も廃止されて、国民は皆平等の時代となったのである。(第14条)


第152記事194701大阪曽根崎国民学校
昭和22年(1947年)1月 大阪・曽根崎国民学校

るん

(6)義務と責任が大切

 私たちは新憲法に依って、随分多くの自由や権利を与えられたが、一生懸命
努力して、これを大切に守って行く義務がある。
自由と言っても、他人の迷惑も考えずに、勝手気侭に振舞うことではない。
権利だからと言って、無暗矢鱈にこれを振り廻してはならない。
私たちは、自分の自由や権利を、いつでも出来るだけ多くの人々の幸せに
役立つ様に、使うことが大切である。(第12条)

もしも、各人がこの心掛けを持たないで、民主主義を履き違え、自分勝手な
ことばかりしていたなら、世の中は今までよりも一層住み難いものになって
しまうだろう。
私たちは権利や自由が、常に義務と責任とを伴うことを忘れてはならない。


第152記事3
昭和21年(1946年)日比谷公園 日本女性とアメリカ兵

まわる



※平仮名の漢字化、現代仮名遣い等、若干の修正(文責在詠山史純)





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御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(30)…マッカーサー憲法の啓蒙5

 2018-02-01
御仕着せの憲法典「日本国憲法」物語(30)


…マッカーサー憲法の啓蒙5



「新しい憲法 明るい生活」

※昭和22年(1947年)5月3日の日本国憲法施行に合わせ、
新憲法普及を目的として、政府が設けた「憲法普及会」で
2千万部の小冊子「新しい憲法 明るい生活」が作成され、
全国の家庭に配布された。



(4)もう戦争はしない

私たち日本国民は、もう二度と再び戦争をしないと誓った。(第9条)
これは新憲法の最も大きな特色であって、これほどはっきり平和主義を
明かにした憲法は、世界にもその例がない。

私たちは戦争の無い、本当に平和な世界を作りたい。
この為に、私たちは、陸海空軍などの軍備を振り捨てて、全く裸身となって、
平和を守ることを世界に向って約束したのである。



我が国の歴史を振り返ってみると、今までの日本は武力に依って、国家の
運命を伸ばそうという誤った道に踏み迷っていた。
殊に近年は、政治の実権を握っていた者たちが、この目的を達する為に、
国民生活を犠牲にして、軍備を大きくし、遂に太平洋戦争の様な無謀な戦いを
挑んだ。
その結果は、世界の平和と文化を破壊するのみであった。
しかし、太平洋戦争の敗戦は、私たちを正しい道へ案内してくれる機会と
なったのである。

0050 (2)

新憲法で全ての軍備を自ら振り捨てた日本は今後、「もう戦争をしない」と
誓うばかりでは足りない。
進んで、芸術や科学や平和産業などに依って、文化国家として、世界の
一等国になる様に努めなければならない。
それが、私たち国民の持つ大きな義務であり、心からの希望である。
 
世界の全ての国民は、平和を愛し、二度と戦争の起らぬことを望んでいる。
私たちは世界に先駆けて、「戦争をしない」という大きな理想を掲げ、これを
忠実に実行すると共に、「戦争の無い世界」を作り上げる為に、あらゆる努力を
捧げよう。
これこそ、新日本の理想であり、私たちの誓いでなければならない。


第151記事ビルマ戦線竹原三郎中将
ビルマ戦線での降伏式典 竹原三郎陸軍中将


日本人は、大東亜共栄圏樹立の理想の下、「大東亜戦争」を戦ったのである。
アメリカの歴史観に基づく、「太平洋戦争」を戦ったのではない。
連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は、日本国民に対し、戦争贖罪意識を
形成させる洗脳工作の為、GHQは、戦争犯罪宣伝計画(ウォー・ギルト・
インフォメーション・プログラム)(War Guilt Information Program、略称
WGIP)を発動させ、日本人の価値観を改造し、精神的武装解除する戦略を取った。

昭和20年12月15日の「神道指令」に依って、「大東亜戦争」という言葉の
使用を禁止した。
「公文書に於いて、『大東亜戦争』『八紘一宇』なる用語、乃至、その他の
用語にして、日本語として、その意味の連想が国家神道、軍国主義、過激なる
国家主義と切り離し得ざるものは、これを使用することを禁止する。
しかして、かかる用語の即刻停止を命令する」

この「新しい憲法 明るい生活」の記述に於いても、アメリカの価値観、歴史観
に基づいた展開が為されており、WGIPに依る精神的武装解除の効果が明確に
表現されている。


■日本人は、大東亜戦争ではなく、「太平洋戦争を戦った」

■日本は、「武力に依って、国家の運命を伸ばそうという誤った道に踏み迷った」

■日本の「政治の実権を握っていた者たちが、国民生活を犠牲にして、軍備を
大きくし、遂に太平洋戦争の様な無謀な戦いを挑んだ」

■日本が、「世界の平和と文化を破壊した」

■「しかし、太平洋戦争の敗戦は、私たちを正しい道へ案内してくれる機会と
なったので」日本が負けて良かった。

■「世界の全ての国民は、平和を愛し、二度と戦争の起らぬことを望んでいる」

■日本人は、「陸海空軍などの軍備を振り捨てて、全く裸身となって、
平和を守ることを世界に向って約束した」

0050 (2)



※平仮名の漢字化、現代仮名遣い等、若干の修正(文責在詠山史純)





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